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Coming soon
森口悠
臨床知見を用いたAI医療機器開発
歩行は人間の基本的運動機能であり、その質は生活の質や充実感に大きな影響を及ぼす。日本は高齢化率が3割に迫り、超高齢社会と言える状況にある。社会保障負担の軽減と個人の豊かな人生の実現のため、健康寿命の延伸と高齢者の移動機能の維持は論を俟たない課題である。一方で、臨床医学において歩行は身体的変調を反映する重要な徴候であり、診断や評価において貴重な情報を提供する。経験豊富な専門医は歩行の観察を通じて疾患特異的な要素を見出し、診断や治療方針の策定に活用する。機械学習や人工知能(AI)の進展により、こうした経験依存的な暗黙知を新たな診断技術やバイオマーカーとして形式化し、医療者間で共有・活用することが可能となっている。
本発表では、運動器の専門医として発案した歩行解析コンピュータビジョン開発の取り組みを通じて、臨床医の診療実態と課題、暗黙知の存在と活用の可能性、科学研究および技術開発への展開、社会実装におけるアカデミアとスタートアップ企業の役割、AI技術を活用した医療機器開発への展望、について論じる。
石井健介
AIを活用したプログラム医療機器の薬事承認
昨今、日本でAIを活用したSaMDの薬事承認が増加している。本文では「AI-SaMD」と呼ばせて頂くが、開発する企業は従来の医療機器企業だけではなく、アカデミア発のベンチャー企業や異業種産業の企業も参入している特徴がある。AIによる画像認識能力によって、病変の位置や疾患の兆候を見つけ出す能力は、専門医に匹敵するものや、既に専門医の眼を超え始めている製品もある。疾患の早期発見や画像診断の負担軽減の観点からもAI-SaMDの開発は今後益々盛んになると思われる。一方で、我が国の国民皆保険制度の中で保険適用されるAI-SaMDは限定的であり、開発する側にとっては気になる所と思われる。基本的に薬事承認審査では、開発されたAI医療機器の感度及び特異度などを評価し、AI-SaMDを使用することで診断成績が向上するなどの臨床的な有用性を示す必要がある。そのため、AI医療機器の開発には、大量の学習データをはじめ、薬事申請に向けた検証データの準備も必要となるが、これらのデータ収集に様々な課題があり、スムーズな実用化に向けた環境整備が必要である。
美代賢吾
デジタルによる変革で未来の医療を織る
医療機関のデジタル化の進展は医療の未来に多くの可能性をもたらしている。演者はこれまで、6つのナショナルセンターの統合電子カルテデータベースの構築運用や、日本の74医療機関が参加する診療録直結型全国糖尿病データベース事業(J-DREAMS)の設計開発などRWDデータベース構築の研究をおこなってきた。RWDの活用により、創薬・医療機器開発、新しい治療法の確立、患者安全の向上、そして医療現場の負荷軽減や革新的な医療環境の提供などが期待されている。一方で、適切かつ迅速なデータによりこれを効果的に行うには、データ利活用領域に加え、データ収集領域での研究が重要になってくる。我々は、従来自由文で書かれていた診療記録をテンプレートにより構造化し収集するプラットフォームであるJASPEHR(JApanese Standard Platform for EHRs)や、医療機器・医療材料などのモノの情報をバーコードやRFIDなどを用いて効率的に収取するための基礎的で汎用的な技術の開発を進めている。本シンポジウムではデータ収集側にフォーカスし、これら精緻なデータによって織られる医療の未来の形について議論する。
小林 直
人工知能を用いた手術の暗黙知の視覚化
私は外科医としての経験を活かし、2018年より現場課題に基づいた手術支援AIの開発に取り組んできました。2020年にはアナウト株式会社を創業し、手術支援ソフトウェアの社会実装を推進しています。手術は最も困難な医療行為の一つであり、高度な技能と暗黙知を要します。アナウトは国内30以上の医療機関と連携し、世界トップレベルの技術を誰もが活用できるよう、患者ごとの解剖をリアルタイムに可視化する「プレシジョンマッピング」を開発。2024年4月に薬事承認を取得したEUREKA αは、結合組織線維をピクセル単位で強調表示し、剥離層の認識を支援します。今後は可視化対象を拡張し、日本発の知見を世界へ届けていきます。
ミトコンドリア研究の最前線と還元型コエンザイムQ10
ミトコンドリアは「細胞の発電所」と呼ばれるように、生命に必須なエネルギー代謝を担う細胞小器官である。一方、エネルギー代謝の過程で生じる酸化ストレスは、細胞障害の原因にもなっている。このため、ミトコンドリアには様々な抗酸化対策が施されており、細胞の恒常性に欠かせないことがわかっている。とりわけ、還元型コエンザイムQ10(CoQ10)はエネルギー代謝の実働分子であるとともに、ミトコンドリアなど様々な細胞小器官で合成される、体内で唯一の脂溶性抗酸化酵素である。CoQ10の効用は極めて多岐に渡り、多様な疾患の治療手段としてだけでなく、健康増進のためのサプリメントとしても注目されてきた。このことは、ミトコンドリアと還元型CoQ10が体内のあらゆる機能にとって如何に重要であるか、その破綻が生活の質を如何に脅かすかを暗示している。驚いたことに、最先端技術を駆使した解析により、ミトコンドリアは単なる平凡な細胞小器官ではなく、細胞内外を行き交う情報の発信・収集の場であり、細胞の生と死を司る運命決定装置であり、精神活動の複雑性を支える素子でもあることが明らかになってきた。さらに、細胞という閉じた区画から飛び出し、体内を自由に移動して別の細胞に移るという、これまでの常識を超えた自律性を備えている可能性が提起されている。本セミナーでは、還元型CoQ10にまつわる最新ニュースを紹介するとともに、新たなミトコンドリア像がもたらす21世紀の生命観について議論したい。
近年、日本では、小児医療の進歩による救命率の向上に伴い「医療的ケア児」と呼ばれる医療依存度の高い子どもが急速に増え、医療機関での入院病床では対応できず、地域移行が進んだ。その結果、経管栄養や、気管切開のみならず、人工呼吸器を装着した子どもが自宅で高度な医療ケアを受けながら、生活するケースが急増しています。しかし、そのために自宅での高度な人工呼吸管理を支える仕組みの整備が必要となっています。当法人で実施している医師の定期的な訪問を中心とした在宅人工呼吸管理の支援について述べていきます。
AIは医療を急速に変革しており、大規模言語モデル(LLM)と生成AI(GenAI)により、患者ケア、医学研究、システム効率化において新たな可能性が開かれています。マイクロソフトでは、Azure OpenAI Service、BioGPT、AIを活用した臨床コパイロットなどのソリューションを先駆的に開発し、世界中の医療提供者、研究者、公衆衛生機関を支援しています。創薬の加速から臨床文書の改善、個別化された患者エンゲージメントに至るまで、実世界での応用例は、AIイノベーションの具体的な影響を示しています。このセッションでは、マイクロソフトの責任あるAI実践が、医療技術における信頼性、セキュリティ、公平性をどのように確保しているかを探ります。主要な業界コラボレーション、最先端の進歩を紹介し、よりつながりのある、レジリエントで健康的なグローバル社会の構築におけるAIの役割について、将来を見据えたビジョンを共有します。
病気治療の時代は終わりつつあります。長い間、私たちのシステムは反応的で、健康増進よりも病気の治療に焦点を当ててきました。「病気治療からスマートケアへ:医療の未来におけるAIの役割」では、人工知能と第5次産業革命の他の融合技術が、受動的な病気治療から積極的でパーソナライズされたスマートケアへとパラダイムをシフトさせる変革力について掘り下げます。基礎科学者、医療アナリスト、ビッグデータヘルス起業家、そして現在はテックバイオ、ヘルステック、長寿分野のベンチャーキャピタリストとしての私の経験をもとに、テクノロジーがいかに患者をエンパワーし、精密医療を可能にし、予防とウェルネスの新たな領域を開拓するかを明らかにします。このセッションでは、医療が単に病気を治すだけでなく、人間の健康寿命を最適化することに焦点を当てた未来を展望します。
ベンチャーキャピタルは、次世代のヘルスケアイノベーションを推進する重要なエンジンです。このセッションでは、ヘルステックスタートアップへの初期段階投資の進化する状況について詳しく掘り下げます。専門ファンド、AI駆動型ソリューション、デジタルヘルス、精密医療に焦点を当てながら、ベンチャーキャピタルの構造がヘルスケア特有の要求にどのように適応しているかを探ります。創業者そして投資家としての私の経験から、今日のVCが単なる資金提供者ではなく、規制の障壁、臨床的検証、商業化をナビゲートするスタートアップを支援する戦略的パートナーであることについて詳しく説明します。このセッションでは、テクノロジーと医療の融合が創業者と投資家の両方に新たな機会と新たなリスクをもたらしていることについて議論します。この急速に変化する業界の最前線にいるスタートアップと投資家が直面する機会と課題についてお話致します。
Comin soon
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Future Healthの理念のもと、老化を新たな医療ターゲットと捉える未来医療への挑戦を探ります。
座長は、エピジェネティクスから健康資産の概念を提唱する山田秀和(近畿大学)。
パネリストには、ゲノム老化研究をリードする小林武彦(東京大学)、クロトー遺伝子の発見で老化制御の可能性を拓いた鍋島陽一(京都大学)を迎えます。
老化を「防ぎ・遅らせ・治す」対象とする議論は、いまや科学に基づく現実的なテーマとなりつつあります。未来医療と産業界に向けた、革新的な対話にぜひご注目ください。
Comin soon
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医師として働いていた頃に若いがん患者の死を看取り、遺伝性がんに興味を持った。米国ユタ州の家族性大腸腺腫症の家系を利用した逆遺伝学による原因遺伝子の発見を目指したのが、外科医から遺伝学・ゲノム学研究者となるきっかけだった。
幸運なことに、染色体の母方由来か父方起源かを区別できる多型性 DNA マーカーを単離するチームを任され、これがVNTR マーカーの発見につながり、「逆遺伝学」の確立に貢献した。
そして、1990 年に開始された国際ヒトゲノム計画につながった。
しかし、この時点では、将来の医療におけるゲノム研究の重要性は日本では過小評価されていた。日本政府がミレニアムゲノムプロジェクトを開始し、SNP、バイオバンク、GWAS(ゲノムワイド関連研究)の分野で急速に世界に追いつき、日本はGWAS研究において世界をリードする立場にいた。
さらに、その後の技術革新により、ゲノム情報は医学・医療に欠かせないものとなり、ゲノム医療はプレシジョン・メディシンにおいて重要な役割を果たしている。ヒトゲノミクス研究の歴史について議論し、さらに今後10年間における免疫ゲノミクス・免疫療法の重要性について紹介します。
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