演者:加古 伸雄(あいち健康クリニック 理事長)
クリニックから始める持続可能な医療づくり ヘリウムフリーMRI導入の現場から
地域に根ざした医療の現場では、患者の高齢化、医療人材の偏在、地域中核病院の経営難といった課題への対応が急務となっています。こうした中、クリニックにおける画像診断機能の強化は、迅速な診断・治療の実現や地域中核病院との連携強化に大きく寄与します。
本講演では、当院が導入したフィリップスのヘリウムフリー1.5T MRI「MR 5300」の選定理由と運用経験を紹介します。
限られた医療資源の中で、環境負荷を抑えつつ安定稼働を可能とするMR 5300は、将来にわたって持続可能な医療提供や、災害時の医療提供にも寄与しうるため、今後の地域医療における画像診断体制の整備において重要な選択肢となり得ます。近隣の医療機関との連携による症例共有や診療効率の向上といった、実践的な取り組みについても具体的にご紹介します。
演者:前田 浩利(医療法人財団はるたか会 理事長)
演者:戸谷 剛(あおぞら診療所うえの 院長)
世界と日本における医療的ケア児の状況と小児医療の進歩 ―小児の在宅人工呼療法の現状と課題にフォーカスして
近年、日本では、小児医療の進歩による救命率の向上に伴い「医療的ケア児」と呼ばれる医療依存度の高い子どもが急速に増え、医療機関での入院病床では対応できず、地域移行が進んだ。その結果、経管栄養や、気管切開のみならず、人工呼吸器を装着した子どもが自宅で高度な医療ケアを受けながら、生活するケースが急増した。しかし、そのために自宅での高度な人工呼吸管理を支える仕組みの整備が必要となった。当法人で実施している医師の定期的な訪問を中心とした在宅人工呼吸管理の支援について述べたい。